職場においてのパワハラって、具体的にはどういうことが該当するのかご存じですか?
なんとなくのイメージは持っていても、いざ考えてみると「これって『パワハラ』と言えるの?」と疑問に感じることもありますよね。
厚生労働省では、職場のパワハラ、いわゆるパワーハラスメントの定義が提示されています。
私の前職での体験は、果たして『パワハラ』に値するのか?
実体験を当てはめながら、見ていきたいと思います。
「これってパワハラじゃないのかな……?」とモヤッとする状況真っ只中の方に、ぜひ参考にしてもらいたいです!
もくじ
職場のパワーハラスメントの概念について
厚生労働省では、以下のように提示されています。
パワーハラスメントの定義
職場のパワーハラスメントとは
職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
引用:厚生労働省│あかるい職場応援団│「ハラスメント基本情報」ハラスメントの定義│(パワーハラスメントの定義)
なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。
注意しないといけないのは、①~➂のうちの『どれか』ではなく、①~➂を『全て満たすもの』というところですね!
結果を先に述べますと、次にお話する私の実体験は、見事①~➂の要素全てを満たし『パワーハラスメントに該当』となりました(^^;
ひとつずつ見ていきますので、よかったらぜひ、パワハラの世界を覗いて行ってください(^^)/
私が『転職』を考えはじめた、苦い思い出……。
まずここで、前職で私が『転職』を考えるきっかけとなった、自分自身がいちばんキズついた体験をお話しさせていただきます。
いちばん初めのこちらの記事でチラッと触れた『お叱り』の話になります。
少しだけ、思い出話にお付き合いくださいね!
あの日、いつもどおり勤務していた私は、パワハラ上司♀から呼び出されました。
以前、仕事中に酷い頭痛が起き、我慢していたのですが全然おさまらず、倒れそうになってからようやく、カバンに入れておいた頭痛薬を1錠飲んだということがあったのですが……。
そのことについての『お叱り』でした。
〇〇から聞いたけど、仕事中に薬飲んだらしいな。
はい、一度飲んだことがあります。
ぬるぬるやっとんねんなぁ!前の職場でも飲んどったんか?
はい……。(え?みんな、風邪薬とか痛み止め飲むよね……?)
悪いけど、アンタさぁwwwww
前の職場でアタマ数入れられてなかったんやろうなぁ!!wwwww
絶ッ対入れられてへんでwwwww
……そう……なのかもしれないです。(……何言われてるの私?)
おまえだけがしんどいと思うな!!!
本当はもっと長かったのでだいぶカットしましたが、『お叱り』タイムの中で、私が『転職』という2文字を考えることになったきっかけが、この案件でした。
なんで薬を1錠飲んだだけで、私のことをよく知りもしない人に過去のことまで滅茶苦茶に否定されないといけないのか……?
薬を飲まずに、そのまま倒れるべきだったのか……?
どうしても、どうしても腑に落ちませんでした。
私の体験は、果たしてパワーハラスメントに値するのか?
では、さっそくこの案件がパワハラに値するのか?!
①から➂について見ていきましょう!
①優越的な関係を背景とした言動?
厚生労働省で、①~➂の要素それぞれについて例や説明を記載してくれています。
①「優越的な関係を背景とした」言動とは
業務を遂行するに当たって、当該言動を受ける労働者が行為者とされる者(以下「行為者」という。)に対して抵抗や拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるものを指します。
引用:厚生労働省│あかるい職場応援団│「ハラスメント基本情報」ハラスメントの定義│(パワーハラスメントの定義)
● 例
・職務上の地位が上位の者による言動
・同僚又は部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの
・同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの
①でパッと思い浮かぶのは、『上司』や『先輩』など、立場が上の人によるものが多いかと思います。
でも実は、『同僚』や『部下』によるものも当てはまるんですね!
職場において、立場は関係なくどんな間柄の人であっても、この要素をみたすことになる可能性はあるということですね。
私の場合は、わかりやすいことに相手は上司でした。
あっさりと①の要素はクリアですね!(^^)
➁業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動?
さっそく、例から見ていきましょう。
②「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動とは
社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又はその態様が相当でないものを指します。
引用:厚生労働省│あかるい職場応援団│「ハラスメント基本情報」ハラスメントの定義│(パワーハラスメントの定義)
● 例
・業務上明らかに必要性のない言動
・業務の目的を大きく逸脱した言動
・業務を遂行するための手段として不適当な言動
・当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える言動
➁では、『業務上必要性がない』というところがキーになりそうです。
さて、私の案件ではどうでしょうか……??
『勤務時間内に薬を飲んだこと』についての叱責だけであれば、もしかしたら該当しなかったかもしれません(それでも理不尽すぎてモヤッとしますが……。)。
ですが、関係のない以前の職場での立場について言及したり、バカにしてみたり……。
明らかに、業務上必要ではないですよね(笑)
おまえだけがしんどいと思うな!!!
という謎命令(?)についてはどうでしょうか?
アウトですよねwww
こちらは、『目的を大きく逸脱した』というところにフィットしている気がします(^^;
と、いうことで!
➁の要素についても、見事クリアとさせていただきます(^^)!
➂就業環境が害される?
➂の要素については、例ではなく、説明をしてくれています。
③「就業環境が害される」とは
当該言動により、労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなったために能力の発揮に重大な悪影響が生じる等の当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指します。
引用:厚生労働省│あかるい職場応援団│「ハラスメント基本情報」ハラスメントの定義│(パワーハラスメントの定義)
この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、「同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうか」を基準とすることが適当です。
なお、言動の頻度や継続性は考慮されますが、強い身体的又は精神的苦痛を与える態様の言動の場合には、1回でも就業環境を害する場合があり得ます。
なんだか難しく書かれているように感じますが、注目すべきは『就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうか』というところ。
実はこの一件は、私にとっては非常に精神的ダメージが大きかったです。
パワハラ上司♀しか登場させていませんが、本当はもう一人♂の上司がその場におり、上司2人vs私1人でした。
上で例を出した話以外にもいくつか『お叱り』はあり、反論も意見も何も許されない状況のまま、合計1時間半ほど叱られ続けました。
「あと20年以上もこんな上司の下で怯え、我慢し続けないといけないのか……。」と絶望しかなかった。
上司や会社への不信感から、モチベーションも著しく下がってしまい、頭の中に『転職』の2文字が浮かびました。
と、いうことで……。
➂の要素、こちらも当てはまっております!!
あんなことやこんなことも、実はパワーハラスメントに該当するかも
検証の結果、私の実体験は①~➂全ての要素を満たし、『パワーハラスメントに該当』となりました。
上司から受けるものだというイメージが強いパワーハラスメントですが、例えば『部下からの嫌がらせ』でも、他の要素も満たしていれば該当する可能性があります。
やたらと『プライベートに干渉してくる』人がいたら、それもパワーハラスメントとして該当する可能性がありますね。
精神的苦痛というのは、暴言や侮辱だけではなく、例えば『飲み会を強要する』ということでも、該当する可能性が……。
「まさか、こんなことで……?」と感じるようなことも当てはまっていませんか?
パワーハラスメントの定義:3つの要素と6つの類型
実は、厚生労働省では『職場のパワーハラスメントの概念(3つの要素)』以外に、『職場のパワーハラスメントに当たりうる6類型』というものも記載されています。
少し長くなってしまいましたので、6つの類型に関しては次回、記事にさせていただきます!
(※6類型記事公開いたしました!よろしければ、こちらからm(__)m)
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
「これってパワハラじゃないのかな……?」という状況の方には、ぜひ参考にしてもらいたいです!
みみのすけでしたm(_ _)m